AI-KATAAI-KATA Diary

日記アプリ設計ブリーフ

参考文献リスト

設計思想ページで引用した研究、政府・公的機関の一次資料、実践に関する報道(二次情報として区別しています)、国内の法令、および米国の州法を、検証状況つきで一覧にしたものです。数値・効果は各資料の本文・公式ページの記載に基づき、創作した数値は含みません。

作成日: 2026-06-07 / リンク確認日: 2026-06-09 / 政府・公的機関の資料 追加日: 2026-07-08 / 実践事例・報道 追加日: 2026-07-16 / 国内法令・海外の法規制 追加日: 2026-08-12

検証凡例

全文確認 本文(全文PDF/HTML)を読んで確認した

要旨・公式確認 要旨・出版社ページ・公式発表・PubMed等で実在と主要数値を確認した

書誌のみ 書誌情報の確認にとどまる

日記・表現的筆記

2全文確認

Smyth JM, Johnson JA, Auer BJ, Lehman E, Talamo G, Sciamanna CN (2018). Online Positive Affect Journaling in the Improvement of Mental Distress and Well-Being in General Medical Patients With Elevated Anxiety Symptoms: A Preliminary Randomized Controlled Trial. JMIR Mental Health, 5(4), e11290.

不安症状のある患者70人のRCT。苦痛・不安・ストレス低下、レジリエンス向上。抑うつ・生活満足・PANASは有意差なし。週3回は密すぎた可能性を著者が指摘。予備的研究。

AIチャットボット・対話エージェント

アバター・マルチモーダル

12要旨・公式確認

Xu S, Ma T (2025). Depression intervention using AI chatbots with social cues: a randomized trial of effectiveness. Journal of Affective Disorders, 389, 119760.

大学生84人(PHQ-9≥9)。高ソーシャルキュー(テキスト+音声+アニメーション)群 vs 低ソーシャルキュー(テキストのみ)群、16週。HSC群でPHQ-9低下(d=0.63)、GAD-7低下(d=0.50)、アドヒアランス(d=0.82)が有意に大きい。公開ラベル・大学生限定・1研究なので決定的ではない。

13書誌のみ

Six SG, Schlesener E, Hill V, Babu SV, Byrne K (2025). Impact of Conversational and Animation Features of a Mental Health App Virtual Agent on Depressive Symptoms and User Experience Among College Students: Randomized Controlled Trial. JMIR Mental Health, 12, e67381.

大学生209人。CBTベースのアプリで、対話機能とアニメーション機能を変えた仮想エージェントを2週間使用。アバターの会話・アニメーション要素が抑うつ症状とユーザー体験に与える影響を検証。

政府・公的機関の資料

G1全文確認

内閣府孤独・孤立対策推進室(令和7年4月25日公表).人々のつながりに関する基礎調査(孤独・孤立の実態把握に関する全国調査、令和6年実施)調査結果のポイント.

16歳以上の個人2万人を無作為抽出した全国調査(有効回答10,876件、回答率54.4%)。孤独を「しばしばある・常にある」4.3%、「時々ある」15.4%、「たまにある」19.6%と回答した人の合計は約4割。令和3〜5年調査と比べ大きな変化はない。

G3要旨・公式確認

個人情報保護委員会.個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編).

要配慮個人情報の定義(法第2条第3項、施行令第2条第1号・第2号、規則第5条)として、精神障害(発達障害を含む)等の心身の機能の障害、医師等による健康診断等の結果が含まれることを規定。取得には原則本人の同意が必要。ガイドライン全体(大部)のうち、この定義部分を確認。

G4全文確認

内閣府(人工知能戦略本部決定)(令和7年12月19日).人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針(概要).

AI法第13条に基づき策定。リスクベースアプローチ、ステークホルダーの積極的な関与、一気通貫でのAIガバナンス構築、アジャイルな対応を基本方針とし、「人間中心」を適正性確保の要素の一つに掲げる。活用事業者にはAIガバナンスの構築・運用と十分な安全性確保を求める。概要(2ページ)を確認。本編PDF(約30ページ)は今回未読了。

G5全文確認

こども家庭庁(令和7年3月).生成AIの導入・活用に向けた実践ハンドブック.

自治体・保育施設等向けに生成AI導入の考え方を示す文書。p.26で「メンタルヘルス・育児相談チャットボット」を非推奨の活用例として挙げ、理由を「保育士や心理カウンセラー等の有資格者が実施すべき相談対応は、相談者の心理状態や背景にある複雑な状況を適切に理解し、専門的な判断を伴う支援が求められるため」とする。一方、同庁が実証した「保育施設等職員のカウンセリング支援」事例では、有資格者が行うべきカウンセリング行為は行わず、対話を通じた悩みの言語化に役割を絞り、必要に応じ人間のカウンセラーへエスカレーションする運用により、非推奨のパターンを回避したと報告している。

G6全文確認

奈良県葛城市教育委員会(2024).1人1台端末を活用した心の変化の早期発見~AIを活用した相談システムの構築~.教育委員会月報 2024年5月号(文部科学省サイト掲載).

全小中学生約3,500人の端末で毎朝5つの顔マークから気分を選ぶ「今日のスタート」と、週1回の日記「心のあしあと」をAIが解析しキャラクター「蓮花ちゃん」とのチャット相談へつなぐ「蓮花のAI相談室」(市内2中学校・全中学生約1,130人、2022年5月本格実施)の実践報告。2022年度は中学生の約4割にあたる442人が相談し対応7,136件、2023年度は相談件数1万件超。日記を書く金曜日に相談が最も多い。AIの応答案は臨床心理士が1件ずつ確認し、運用原則は「AIは人の代わりではなく、子どもと周囲を繋ぐ手段。最後は周りの大人が支援を行う」。

G7要旨・公式確認

人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(令和7年法律第53号、令和7年6月4日公布).e-Gov法令検索.

全4章28条。第13条は、国が「国際的な規範の趣旨に即した指針の整備その他の必要な施策」を講ずるものと定める(G4の内閣府指針の根拠規定)。第16条は、権利利益の侵害が生じた事案の分析等に基づき、研究開発機関・活用事業者その他の者に対する指導、助言、情報の提供その他の必要な措置を講ずるものと定める。法令本文に罰則・罰金・過料の規定は置かれていない(本文検索で確認)。

G8要旨・公式確認

公認心理師法(平成27年法律第68号)第2条・第44条.e-Gov法令検索.

第2条は「公認心理師」を、登録を受け、公認心理師の名称を用いて心理に関する相談・助言等を業として行う者と定義する。第44条は、公認心理師でない者が公認心理師という名称を使用すること、および名称中に「心理師」という文字を用いることを禁じる。名称の使用制限であり、業務独占の規定ではない。該当条文を法令本文で確認。

海外の法規制(米国の州法)

L1全文確認

State of Illinois, Department of Financial and Professional Regulation (2025年8月4日). Gov. Pritzker Signs Legislation Prohibiting AI Therapy in Illinois(Wellness and Oversight for Psychological Resources Act / HB1806).

州規制当局による公式発表。AIを用いて心の健康に関する治療上の判断を行わせることを禁じる一方、有資格の行動保健専門家のための管理業務・補助業務としての利用は認めると説明。IDFPRが違反の疑いを調査する権限を持ち、確認された違反には最大1万ドルの罰金。2025年8月1日(金)に知事が署名し、署名と同時に施行。両院で全会一致可決。

L2要旨・公式確認

State of Maine (2026年4月13日知事承認). An Act to Regulate the Use of Artificial Intelligence in Providing Certain Mental Health Services. Public Law Chapter 687(H.P. 1397 / L.D. 2082).

10 MRSA §1500-EE を新設し、インターネットを介したAIによるものを含め、有資格者が提供するのでなければ治療・心理療法サービスを提供・広告・提供の申出をすることを禁じる(違反はメイン州不公正取引行為法違反)。禁止対象の「治療的対話」は、臨床上または専門的な場面で行われ、診断・治療を意図した対話と定義される。適用除外はIRB承認済みの研究のみ。第1節(禁止規定・定義・除外)と第2節の構成および末尾を確認。第2節は職種ごとの免許章に同一規定を反復する構成で全22ページ。

L3全文確認

State of Tennessee (2026). Public Chapter No. 647(Senate Bill No. 1580). An Act to amend Tennessee Code Annotated, Title 33; Title 47 and Title 63, relative to mental health.

Tennessee Code Annotated 33-1-205 を新設。AIシステムを開発または提供する者が、そのシステムが有資格の精神保健専門家である、またはその役割を果たせると広告・表示することを禁じる。違反は1977年テネシー州消費者保護法上の不公正または欺瞞的行為にあたり、同法の民事制裁金の上限にかかわらず違反1件につき5,000ドル。2026年3月16日可決、同年4月知事承認、2026年7月1日施行。

L4要旨・公式確認

Colorado General Assembly (2026). HB26-1195: Use of Artificial Intelligence Systems for Psychotherapy Services(州議会公式法案ページ).

2026年6月3日署名、2026年8月12日施行。有資格者がAIをクライアントとの治療的対話に用いることや、専門家の確認を経ずに治療上の推奨を生成させることを制限する。一方で、精神疾患の診断・治療を行わず、臨床ケアの代替ではないことを明確に開示したうえで「セルフヘルプ、治療的宿題、コーチング、患者ナビゲーション、ガイド付き瞑想、日記(journaling)その他のツール」を提供する技術は適用対象外と定める。AIの出力が有資格者によるもの、または有資格者のサービスと同等であると示す・示唆する使い方は不公正または欺瞞的取引行為にあたる。州議会公式ページの法案要旨と条文引用部分で確認。

L5要旨・公式確認

Office of Governor Phil Scott (2026年6月17日). Action Taken by Governor Phil Scott on Legislation - June 17, 2026.

バーモント州知事室の公式発表。H.816「An act relating to regulating the use of artificial intelligence in the provision of mental health services」を2026年6月17日に署名したことを確認。条文本体は州議会サイトに到達できず未確認のため、本サイトでは法律が成立した事実のみを引用している。

報道(二次情報)

N1全文確認

日本教育新聞電子版(2026年2月7日).心の健康観察をICTで変える 1人1台端末で可視化する「小さなSOS」と早期支援のポイント.

1人1台端末による心の健康観察の解説記事(署名なしの報道=二次情報)。利点として、主観に偏らない客観的な状況把握、蓄積による「線」での変化把握、対面より端末の方が本音を出しやすいことの3点を整理。現場の課題として教職員の業務負担増や支援レベルの指標設定の難しさを挙げ、ツール導入だけでなくデータを支援につなげる「活用」のプロセスと、教職員・スクールカウンセラーによる寄り添いが必要だと結ぶ。記事中の匿名事例の数値(相談件数の増加等)は独立に検証できないため、本サイトの本文では引用していない。

書籍

B1書誌のみ

Weizenbaum J (1976). Computer Power and Human Reason: From Judgment to Calculation. W. H. Freeman. ISBN 978-0-7167-0463-8.

ELIZAを作った本人が、人々がELIZAをカウンセラーとして扱ったことに衝撃を受けて書いた本。AIに心のケアを任せてよいのかという問いの原点。

B2書誌のみ

Pearl C (2016). Designing Voice User Interfaces: Principles of Conversational Experiences. O'Reilly. ISBN 978-1-4919-5541-3.

バーチャル看護師アバターのUX責任者だった著者による、声の対話を作る側の実務書。会話フローの実装検討に直結。

B3書誌のみ

Reeves B, Nass C (1996). The Media Equation: How People Treat Computers, Television, and New Media Like Real People and Places. CSLI Publications / Cambridge University Press.

人が声や顔などの社会的手がかりを持つメディアを「相手」として社会的に扱うことを実証した古典。アバター+音声という構成を考える際の参考。

不採用にした情報

「85%が改善」「不安を20〜45%減少」「コルチゾール23%低下」などの具体数値を載せるブログ系まとめは、元データとの対応を確認できなかったため本リストに含めません。

AIによるカウンセリングの規制についても、州法の成立を伝える記事は多数ありますが、州議会・知事室・州務長官など州の公式サイトで条文または公式発表を確認できたものだけを掲載しています。解説記事でしか確認できなかった州法、審議中で内容が変わりうる連邦法案、および「全50州で合法」のように出典が一つの解説サイトに限られる包括的な主張は含めません。